【マクドナルドで夕食を 11】
全部を話し終わった時、千はあんぐりと口を開けて、赤ちゃん用のオムツを持ったまま固まっていた。
今日はインフルエンザで休んでいる保育士のかわりに急きょ千が、保育園の手伝いをしているのだ。
千鶴も昔から保育士の手が足りないときは手伝いをしていたし、二人は今1歳児の保育室で赤ちゃんの世話をしながら話していた。、鈴鹿学園の保育室は、床にはクッション性のある敷物が引いてあり、小さい子が喜びそうなおもちゃがころがっている。壁には保育士たちが描いたアンマンパンの絵がにぎやかに飾ってある。
千鶴の新しい職場であった衝撃的な内容に、千はしばらくして口を閉じると、ゴクンとつばを飲み込んだ。そしてもう一度口を開け何かを言おうとして言葉にならずに閉じる。
「千ちゃん?」
千のあまりの驚き様に千鶴が首をかしげてそう聞くと、千はようやく言葉を発した。
「なんて……なんてもったいないことを……!!」
「……へ?」
ハイハイでやってきた女の赤ちゃんを抱き上げながらそう言う千に、千鶴は間抜けな声をだした。千鶴は膝の上にいる男の赤ちゃんの、よだれでべとべとの口の周りを拭きながら首をかしげた。風間のひどい提案に、一緒に怒ってくれると思っていたのだが……
「もったいなさすぎる!『あの』風間千景よ?千鶴ちゃん、あいつがどんだけ金持ちで権力あるか知ってるの!?」
「どんだけって……ニュースで見るぐらいしか……」
千鶴が目を瞬いてそう言うと、千はふうっと溜息をついて肩の力を抜いた。
「まあ、ね。私は遠い親戚だからよく知ってるだけかもしれないけど。あーでももったいない!私だったら搾り取れるだけ搾り取ってバイバイするのになあ!……まあその前に、そういう提案すら受けないだろうけど」
千はそう言って、風間の顔を思い浮かべた。
年に一度の一族の集まりで顔を合わすのだ。特に親しいわけでもないし……というより、顔を見ただけでお互いムシがすかないと感じ、気が合うのはそこだけと言うような関係で、話したこともほとんどない。
風間の会社に千の親が資金援助したのもかなり昔で、ほんの数年後に利子もそろえてきっちり返して来てからは、会社間でのつきあいも全くなくなっていた。
「しかしあの風間が千鶴ちゃんを……ねえ……」
千がしみじみそう言うと、千鶴もうなずいた。
「なんだか私も信じられないよ。こんな平凡でふつーの女なのにね。あれは夢だって思って忘れようと思って」
明るい千鶴の口調とは裏腹に、彼女の表情は暗い。
千は探るように千鶴の顔を見た。
「……大丈夫?やっぱり……傷ついちゃったり?」
千鶴は膝の上で何事かを話しかけている赤ちゃんをあやしながら、寂しそうに微笑む。
「そうだね。失恋したっていえば失恋だしね。好きって自覚した瞬間に、失恋したんだけど」
そう言って赤ちゃんにほおずりをしている千鶴を見ながら、千は考えた。
正確には『失恋』とは言えない。
だって風間も千鶴の事を気に入って、傍に居て欲しいと頼んだんだから。
そう、『傍に居て欲しい』とマイルド言えばよかったのに、金とひきかえに千鶴を傍に置きたいとでもいうような『提案』をしたからこじれただけだろうと、千は思っていた。
偉そうで俺様なのが悪いのよ。だから大事な女の子にも誤解されちゃうんだわ
それと急ぎすぎ。
まあ、それぐらい千鶴を独占したくて欲しくて心配でしょうがなかったのだろうとは思うが、きっとあいつはそんな焦っている所は欠片も魅せずに、例のごとく余裕綽々な感じで『提案』したのだろう。それじゃあ言われた方は、風間の誠実さをうたぐってもしょうがない。
女との割り切った関係に慣れた風間の情熱は、男性とほとんど付き合ったことも無いような女の子には理解できなかったのだろう。
「ねえ、千鶴ちゃん。今すぐとは言わないけど、もうちょっと落ち着いたらもう一度風間に会いに行ってみたら?天霧さんから、手術は成功したって連絡があったんでしょ?それのお祝いとかでもいいじゃない」
千鶴は千の提案をしばらく考えて、そして首を横に振った。
「会いたいけど、でも会うと余計につらくなりそう」
千鶴はそう言うと、屋敷での事を思いだす。
「最初はほんとにひどくて、なんて人なんだろうって思ったけど、でも……風間さん、すごく楽しい人なんだよ。料理が上手でね、作ってる時の表情とか仕草が好きだったな。それと海の見える高台もお気に入りの場所で、猫が昼寝してるのも好きだったみたい。一回猫の話をしたら、それから毎日『今日はいるのか』って聞いてきて……」
次々とあふれ出る風間との思い出を話していた千鶴は、ふと我に返って口を閉じだ。
そして恥ずかしそうに小さく笑う。
「ね?会ってない今でもまだこんなにたくさん風間さんの事を思ってて……。せっかく我慢してるのに会っちゃったら……」
「いいじゃない。もう一度とことん話し合ってみたらどう?」
千鶴は首を横に振った。
「風間さんの人生は風間さんのものなんだ。それで、私の人生も風間さんのものにしたがってるの。人生っていうか……多分一時のことで飽きたらそれもいらなくなって捨てられちゃうと思うんだけど。風間さんはそういう人で変わるつもりもないんだなっていうのがすごくわかった」
「ジャイアンね。びったり」
千が頷きながらそう言うと、千鶴は吹き出した。しかし目じりには涙がたまっている。
千は千鶴の手を握った。
「そうね、千鶴ちゃんにはそんなの似合わないわ。わかった。変なこと言ってごめん。もうアイツの話はやめましょう」
小さく溜息をついて千鶴は微笑んだ。そして気分を変えるように言う。
「無職になっちゃって、それで、もしまだ鈴鹿学園の保健の先生の仕事があればまた雇ってもらえないかなってお願いしにきたの。どうかな?」
以前鈴鹿学園の保健医の仕事を辞めるときに、千とその話をした。甘えるわけではないが、ここで施設の方兼任の看護師であり保健の先生というのは、千鶴の小さいころからの夢でもあったし辞める前まではやりがいを感じていた仕事だった。
もしまた就職できるのならぜひしたい。
しかし千鶴がそれを言った途端、千の表情が暗くなった。
「それがね、千鶴ちゃん。実は学園に理事長交代を条件に多額の寄付があって。で資金繰りに困ってたんで、うちの祖父も散々悩んだんだけどとうとう……」
「え?どういうこと?」
千鶴は驚いて千の顔を見る。
「もう実質は『鈴鹿』学園じゃないのよ。便宜上対外的には鈴鹿学園のままでいるけど、実際の理事長は全然別の会社の役員なの。私も聞いたことのない会社なんだけどね。で、特に大きく口を出してくることはないんだけど……」
「人事権はこちらでもつということだけ、新理事長には伝えておけ。それ以外はこれまでどおりでかわまんと」
東京都を一望できる風間グル―プ本社の社長室で、風間はそう言い携帯電話を切った。そして机の向こう側で立ったまま物言いたげな視線を投げていた天霧の方を見る。
以前はうつろだった赤い瞳は、今は風間の意志を反射させてきらめいている。
「なんだ」
「雪村から正式に退職届が郵送で届きました」
天霧がそう言って差し出した封書を、風間は受けとり中を見る。
そこには味もそっけもない印字された文字で、退職届けが書かれていた。
「ふん……」
風間はそう言い、封書をつまらなそうに広い社長机に投げる。天霧はそれを見ながら言った。
「雪村が辞めたのはそれが原因ではないのですか」
「それとは何のことだ」
「裏でこそこそと汚い手を使っている事です」
ふっと風間は笑った。どうやらあの雪村千鶴は、風間の心を奪っただけではなく天霧すらも懐柔してしまったようだ。
「逆だ。これのおかげで千鶴は俺のところに帰ってくる。鈴鹿学園の職もなく、寮も追い出されればさすがに俺の提案を受ける気になるだろう。それに千鶴が辞めたのは、俺の目が見えるようになって生活補助が不要になったからにすぎん」
天霧は、まだなお何か言いたげだったが小さく溜息をつくと、一礼をして社長室から出て行った。
風間はそんな天霧を横目で見て、椅子をぐるりと回して壁一面に広がる大きなガラス窓から外を眺めた。
手術から一週間後。
ようやく風間の目から包帯が外され瞼を開けることを許された。
「では包帯をとりますよ。ガーゼを取ったらゆっくりと目を開けてください」
医師の静かな声に風間は頷いた。
部屋はカーテンを閉められてまだ午前中なのに薄暗くなっている。ゆっくりと包帯をとられ、ガーゼもとられた。
半年ぶり…いやそれ以上か
ゆっくりと瞼をあげると、まず感じたのは光だった。
まぶしくはないが光を感じる。ずっと闇の中にいた風間にとってはそれが新鮮だった。
次にぼんやりと物の輪郭が見える。ピントが合いにくい感じがして風間は一度目を閉じ、また開ける。
今度は急にはっきりと見えた。
暗い室内。診察室だ。
カーテンの閉められた窓に、診察用のベッド。
風間の前には、医師が一人。横に病院の看護師が二人。
「……見える」
風間が呟くと医師が身を乗り出して目を合わせてきた。
「痛みはありませんか?見えにくいとか視界が狭いとか」
「大丈夫だ」
風間は辺りを見渡した。
「暗いな」
医師と看護師が笑う。
「徐々に明るさに慣らしましょう。どうやらうまく行ったようですね、とりあえずは診察をさせてください」
最初は、久しぶりの視覚にあまりにもすべての情報が一気に目から入って来て上手く取捨選択できずに混乱し、疲れてしまっていたが、1日もすれば慣れた。
念のための一泊入院の後に風間が屋敷に帰ると、予想通り千鶴は居なくなっていた。
執務室の机の上には丁寧に書かれた退職願が置かれていた。
当初から辞める実務的な話は天霧としていたらしく、労務的な問題はないとのことで、退職願は問題なく受理された。
それからさらに三週間。
仕事に復帰した風間は、あっという間に前の状態に戻った。いない間の決裁事項は山積みで。既存案件と新規案件の状況把握だけで一日が過ぎていく状態だ。
机の上に山と積まれた書類と静かな音をたてて動いているパソコン画面を見て、風間は小さく溜息をついた。
そして艶やかに光る木製の机の一番上の引き出しを開ける。
中から取り出したそれは、千鶴の履歴書だった。
「……」
風間は背もたれにもたれて、そこに貼られている千鶴の写真を見る。
生真面目な顔をして真っ直ぐにこちらを見ている女性。
鋭かった風間の瞳に、柔らかな光が宿る。
風間は人差し指で、小さな写真の中の千鶴の頬を、ゆっくりとなぞった。
まるで目が見えないときのように。
中学の時の千鶴から想像していたよりも、写真の千鶴は美しかった。
中学の時の彼女はもう少し……はかなげで寂しげな、頼りない大人しそうな女の子だったが。写真の中の今の彼女は、瞳にしっかりとした意志が宿っている。頬は柔らかくカーブを描き、大きな黒い瞳は中学の時とと同じく濡れたように潤み黒目がちだ。肌は中学の時よりも白く……抜けるように白くなっている。
写真でこれなのだから、実際はもっと美しいのだろう。触れたらきっと我慢が出来なくなるくらいに。
早く来ないか……
来たらもう二度と離さないのだが。
彼女が望んでいるものはわかっている。愛だの恋だの、とういった類の言葉だろう。それは単なる言葉にすぎないが、人間を縛り付けるものなのだ。見えないし触れない。だからこそ心を縛って離さない。
縛られたまま生涯を終えた祖父のように。
そんなものに縛られるより、自由でいた方が楽しめると言うことが何故千鶴にはわからないのか。
彼女のすべての夢をかなえることができると言うのに。二人で夢のように過ごすことができるのに。
風間は舌打ちをすると、千鶴の写真を引き出しに戻し、再び仕事に戻った。
それからさらに二週間。
「……来ませんね」
様々な報告書や写真、封書に埋まった風間の社長用の机の上を見ながら天霧は冷静な声で言った。
「わざわざ言われなくてもわかっている」
風間がイラついた声で、見るのも嫌だと言うように机から目を背けて椅子をくるりと回し、一面ガラス張りの窓から雨の街を眺めた。雨のせいでまだ午後の早い時間だというのに薄暗く、余計いらいらさせられる。
天霧は机の上に散らばった報告書の一つを手に取った。
「今週は……個人病院の昼の看護師の面接と、夜のドーナッツショップのアルバイトの面接ですか。なるほど、一つの仕事だけでは生活費がきついが、かけもちをすればなんとかなるかもということですかな。しかし面接結果が両方合格だとしても、そういった生活で彼女の体力がもつかどうか……」
天霧の言葉を風間は苛立たしげに遮った。
「無理に決まっている。そんなことわかりきっている」
天霧は持っていた報告書をめくる。
「昨日は不動産屋をめぐったようですね。あの条件ではいい物件はほとんどないでしょうな。ああ、一件紹介してもらったようですね。…おやここは治安が悪いので有名な地域でしかも一階風呂なし……返事は来週ですか。なるほど、さすがにこれ以上は鈴鹿の家に居候はしにくいということでしょうか。しかし、ここに雪村が住むことになったら少々心配ですね」
風間はいらいらと立ち上がると、天霧に言う。
「なぜあの女は俺のもとに来ないのだ。金も住むところも何も心配はいらんというのに!」
普通の人間なら震え上がる様な風間の怒号だが、天霧は肩をすくめただけだった。
「それほどあなたの傍がいやなのでしょう」
「……ありえん。あいつは俺に惹かれていると言った」
「自分に言われても返事をしかねますね。直接雪村に聞いたらどうですか?」
風間は天霧を睨むと、また椅子に座って外を眺めた。視力の戻った赤い瞳は、いら立ちを含んで赤々とに輝いている。
それが出来れば苦労はない。だが、女性からあれだけ明確にきっぱりと断られたのは初めてで、しかも千鶴からというのが風間は内心相当こたえていた。
職と住居を取り上げれば、向こうから頭をさげてくると思ったのだが。
風間が次の一手をイライラと考えていると、天霧が「おや」とまだあけられていない封書を持ち上げた。
「これは?何の報告ですか?」
風間はちらりとそちらを見て答えた。
「薫の調査結果だ」
最後の切り札。
これを使うことになるのはできれば避けたい。が、千鶴が自分のもとに来ない以上、このジョーカーをきるしかないだろう。出し方を気を付けないと、最悪の悪手になってしまう可能性もある危険な切り札だ。
天霧が顔をしかめて溜息をついた。
「そもそもこういう姑息なことをするのではなく、正々堂々といった方が雪村には得策だと思いますがね」
「正々堂々、とは?」
「待つのではなく自分から会いにいったらどうですか?そして自分の希望を押し付けるのではなく彼女の希望を聞くのです」
「……」
風間は唖然として天霧を見上げた。ちょうど雨が上がりかけて、雲の切れ間から覗いた太陽が天霧を神々しく照らしている。
「お前がこういう方面のアドバイスとは……雨も上がるはずだな」
「傍から見ている者の方が見えるものと言うのはあるのですよ」
風間は、にやりと笑い立ち上がると、天霧の持っていた薫の報告書を取った。
「珍しいお前のアドバイスに従うとするか、前半だけだがな」
「会いに行くのですか?」
風間は頷くと、壁にかけてあったジャケットを羽織り、うなずく。
「千鶴の希望はもう聞いた。馬鹿らしく意味のないきれいごとの話をしていたな。そんなものより実際の利益を考えるように言ってこよう。生き別れの兄の情報が俺のもとにあると知ればさらに効果的だろう」
風間がそう言うと、天霧は再び顔をしかめた。
「だからそれは……」
「そこまで実利を説いてもわからん女の様なら、俺もあきらめるしかなかろう。これが俺のやり方でこれを受け入れられんのならうまく行くはずもない」
天霧は、とりつくしまもない風間の言葉に溜息をついた。またもや強引な説得を受ける千鶴に同情すら覚える。
半ば匙を投げて、天霧は部屋をでていこうとする風間から視線を外し、壁一面の窓から雨の上がった街を見た。
そして、思わず口を開く。
「ああ、虹がでていますね」
ノブを回して部屋をでようとしていた風間は、その言葉に何の感慨も覚えず「そうか」と言い、扉を開けた。
社長室に天霧を残して、誰もいない会議室を横切る。
会議室も壁の一面が窓になっており、風間は歩きながらふと窓の外へ眼をやった。
そこには天霧が言った通り、大きな虹が雨上がりの空にかかっている。
「……」
風間は何かがひっかかり、立ち止まった。
何かが……何かがひっかかる気がする。
何が引っ掛かるのかと虹を見ながら考えて、風間は思いいたった。
何も感じないのだ。
虹を見ても何も感じない。
子どもの時に見た虹。祖父がホースで作ってくれた虹を見たときの感動した思い出はあるのに。
目が見えないときに、千鶴に水をかけられながら『見た』虹の方が、心に強く残っている。
風間の脳裏に、千鶴が来てからの毎日が浮かび上がる。
沈丁花、猫、頬、雪、笑い声。
思い返せば全てが幸せで、全てが隣に千鶴がいた。
損か得かはわからない。自分が何を望んでいたのかも。
というか、もう何もかもわからない。
わかっているのは隣に千鶴がいて笑っていた生活が風間にとってとても大事で、今千鶴がいない自分の毎日の生活が、感動も笑いも色彩もない灰色の生活だと言う事だけだ。
風間はだらりと両腕を下げて、空を見たまま固まっていた。
『ほんとうに大事で美しいのはそれを感じる心なんですって』
不意に彼女の声が聞こえてきた気がして、風間は振り向いた。
当然ながらそこには誰もいない。無機質な会議室の空間のみ。
目に見えなくて手で触れられないもの。
風間にとってそんなものは存在しないと同義だ。
だが……
だが、今風間は、それが確かに存在していたと実感していた。
何故なら、千鶴と『見た』虹は、確かに美しかったのだ。
見えなくて触れられないにもかかわらず、風間の心に確かな存在としてあの時の虹は残っている。
美しいと感じた心も。
祖父のようになるのは嫌だと、そう思いながら生きてきた。
祖父の事は愛し、尊敬していたが、ああはなりたくなかった。
欲しかったものを手に入れられず、周囲を不幸にしながら虚しく時を過ごす地獄。
だが、今風間は虹を見ながらもう遅いということをさとった。
このまま千鶴を手に入れることが出来なければ、きっと自分も祖父のように甘い地獄におちるのだろう。
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