【Goodend or Badend ?】 
総司高校二年生、千鶴高校一年生の秋です。BLUE ROSE第六話の一週間後のお話です。
!!!WARNING!!! 史実の沖田さん、薄桜鬼の沖田さん、こんな話を書いてごめんなさい!
沖田さん浮気疑惑話です。全てRRAの捏造で、本当の沖田さんたちはそんなことしないと思います(多分)。
なんでもこい!の方のみお読みください。









 「あ、あなた……」
すれ違った女性が振り返り、総司を見た。
通り過ぎようとしていた総司と一、平助は、『何か』と立ち止まり振り返る。
「あ……」
今度は総司がそうつぶやいて立ち止まった。目は女性を凝視したままだ。
一と平助はきょときょとと、その女性と総司を見る。

 学校からの帰り道、駅へと向かう商店街の途中ですれ違った女性。一見したところ平助と一には覚えがない。総司が全国大会で優勝してから、剣道関係者やファン、記者などいろんな女性が彼に会いに来ていたが、たいてい平助も一も一緒にいた。けれどもその女性には見覚えがない。総司には姉がいるが、その姉でもない。
年のころは20代半ば。きれいな茶色の髪は無造作な感じにレイヤーが入り、整った女らしい顔を引き立てている。背は平助と同じくらいと結構高く、スタイルもいい。今朝急に冷え込んだためか薄手のウエストがシェイプされたトレンチコートをざっくりとはおり、黒のパンツスーツ姿だった。

総司の声とともに、その女性の顔がほころんだ。
「やっぱり?あの時の子よね」
そう言って近づいてくる様子はかなり馴れ馴れしく、相当総司と親しいのだと感じさせる仕草だった。しかし対する総司は珍しく固まったまま後ずさりをする。その女性はそんな総司にはかまわず近寄ると、総司の腕に手をかけた。
「……なんで先週帰っちゃったの…?」
女性が発したその甘えるような口調と台詞に、平助は目を剥き、一は目を細める。その時後ろから、先輩!という可愛らしい声がした。
「千鶴!」
平助が振り向き名前を呼ぶ。後ろから走って追いかけてきた千鶴は、はぁはぁと息を荒げながらにっこり笑った。
「平助君。やっと追いついた。ごめんね、遅くなって。ゆっくり帰っててくれたんでしょ」

 カッチーンと音がしそうなくらい固まっている総司には気づかずに、千鶴は平助と言葉を交わしていた。平助は、なんかまずいことになりそうな予感を感じながらもどうすればいいのかわからず、とりあえずうなずく。
「あれ?沖田先輩……?こちらは?」
千鶴が総司の前にいる女性に気づき、総司の顔を見た。女性は総司の表情と千鶴とを見比べて、合点がいったような顔をした後、面白そうな表情になる。
「……ふーん、彼女いたんだ?」
固まっていた総司がようやく口を開く。
「……なんのこと?あなたなんか知らないし。もう行ってもいいですか?」
妙に固い表情でそう言う総司を見上げて、千鶴は不思議そうな顔をした。平助と一はとりあえず巻き込まれないようにじりじりと後退する。

 女性は総司の言葉に面白そうに笑った。
「知らないの?先週あんなに仲良くしたのに?」
「ちょ……!誤解を与えるようなこと言わないでくれるかな!別に何も……」
慌てたように怒って彼女に言う総司に、千鶴はだんだん真顔になる。そんな千鶴を見て、総司も顔色が悪くなった。背中を嫌な汗が伝う。
その女性はにやにやしながらさらに言う。
「別に何も……?ふーん?私の家まで来たよね?」
「わー!わー!千鶴!千鶴!ちょっとやばいって。お前聞くな。ほらこっち来い!総司!後で話がある!!」
平助があわてたようにわめいて女性の言葉をさえぎり千鶴の腕をひっぱった。最後の言葉は平助にしては珍しく本気で怒った口調だ。

 女性は、泣きそうな顔になっている千鶴と、自分を殺してやりたいというような目で見ている総司とを見比べて、楽しそうに微笑んだ。
「あ、そうだ。私の家に忘れてったよね?iPod。ちょうど持ってるから今返すね」
そう言って女性がカバンから取り出したのは……。
総司が先週から失くした、と言っていた黄緑色のiPod nanoで、イヤホンのコードは通常のとは違う総司が使っていたのと同じ黄緑色……というより、総司のものだった。

固まっている総司と千鶴、平助を楽しそうに見ながら、女性は『はい』と言ってそれを総司の手に押し付けると、にこやかに去って行った。また連絡してね〜、とからかうように言いながら。


 重苦しい沈黙が三人の間に落ちる。
千鶴は総司の顔を見つめたまま青ざめた顔で固まっている。目には涙が今にも零れ落ちそうなくらいたまっていた。
総司は、助けをもとめるように一を見る。一は冷たい瞳のままふいっと視線をそらした。総司が平助へと目を移すと、自分の味方になってくれるどころか首を絞めかねないような形相で睨みつけている平助と目があった。

「……千鶴ちゃん、あのね……」
総司はそこで……

 

 


土下座


しらを切る








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