続・華のなまえ
※オフ本「LOVE STORY」イベント配布時の無料配布コピー本(「LOVE STORY」の続きの薫主人公の転生話)の更に続きっぽい感じです。薫+千鶴←沖田で千鶴ちゃんがブラコンぎみですので苦手な方はブラウザバックでお願いします。







「シャワーありがと。さっぱりしたよ。頭から塩かけられたの初めてだったからさ」
雪村家のドライヤーを借りて髪を乾かし、服も念入りに塩を払い、体もシャワーできれいに塩を洗い流した総司は、さっぱりした顔で雪村家の居間に入ってきた。
「よかったです。……ほんとうにすいません。ほら、薫も」
ソファから立ち上がった千鶴はそう言うと、薫の方を見て促す。薫は眉間にしわを寄せてソファにふんぞりかえったままだ。
「薫じゃなくてお兄ちゃんだろ」
「お兄ちゃん、ほら!」
千鶴に促されても薫はぷいっと横を向いただけだった。
「別にシャワーなんて貸してやらなくてもよかったんだよ。塩かけられるなんてこいつにとっては当然なんだから」
「もう!まだそんなこと……!」
「あーもういいよ、千鶴ちゃん。言っても無駄な人には言うだけ体力使って馬鹿らしいし」
総司がそう言うと、千鶴は困った顔をして深々と頭を下げた。
「本当にごめんなさい。あの、お詫びと言ってはなんですけど、もしよければお茶でも……」
「ええ!?よんでないよ」
薫のあげた抗議の声は、千鶴に足を思いっきり踏まれて途絶えた。
「沖田先輩、こちらにどうぞ。座っててください。すぐお茶淹れますから」
千鶴はそう言うとにっこり微笑んで総司にソファの上座をすすめる。そして総司に見えないようにギラリと目を光らせて薫を見た。
「薫はお茶淹れるの手伝ってね」
千鶴は有無を言わせず薫の腕をつかみ、総司に愛想笑いをしながら薫をキッチンへと連れて行った。


キッチンでお湯を沸かしている千鶴の横で、薫はつまらなそうにつったっていた。
「なんだよ、あんな奴を家に上げて風呂貸すだけじゃなくお茶までだしてやるとか。歓迎する必要なんかないだろ」
薫がそう言うと、千鶴はキッと薫をにらむ。
「沖田先輩は剣道部ですっごくお世話になってるの!自慢の兄ですって話してるんだからちゃんとして!」
千鶴の台詞――『自慢の兄』――に薫は目を瞬いた。

……自慢の兄、ね……

薫は少しだけ機嫌を直して、戸棚の上からティーポットをとりだしてやった。
先程の千鶴の言葉から考えると、どうやら千鶴にとっての沖田は『単なる』剣道部の先輩のみのポジションらしい。そしてそれに対する総司の態度を見ていれば、あっちはもっと距離を詰めたいとやきもきしているのが見て取れる。
そして薫はといえば『自慢の兄』。
千鶴の中での三者三様の立ち位置を把握して、薫はにんまりと微笑んだ。
これだけあからさまに差がついていたら、まあ総司の事を哀れと思ってやれなくもないではないか。
事実千鶴は自他ともに認めるブラコンで、いまだに何かあると薫、薫と頼ってくるのだし。

そうして、リビングでは千鶴と総司が主に話し、薫は千鶴の横でソファの背に腕をあずけて紅茶を飲みながら黙って二人の様子を観察する、という奇妙なお茶会が始まった。
総司がちらりと薫を見て、千鶴に聞く。
「お兄さん……違う所に住んでるって聞いたけど今日はたまたま?」
ケーキを取り分けていた千鶴は、微笑んでうなずいた。
「たまたまっていうか……今日は私の誕生日なんで来てくれたんだと思います、ね?薫」
薫は肩をすくめてそっけなく「まぁね」と答えた。
「え!?千鶴ちゃん、今日誕生日なの?知らなかったな」
総司が緑の瞳を見開いてそう言うと、千鶴は恥しそうに頬を染めた。
「そうなんです。あまり誰にも言ってないんですけど」
薫が溜息まじりに独り言のように呟く。
「やれやれ……誕生日すら知らないとか……あきれるね」
「薫?」と首をかしげる千鶴には「こっちの話」と返事をして。
薫が総司を見ると、総司ははっきりと薫の言いたいことが通じたような顔をしていた。要は、顔はにっこりと微笑んでいるが目がわらっていないというような顔だ。
千鶴は誕生日の話で思い出したのか、「あ、そうだ」と薫をふりむいた。
「今日ご飯食べてくよね?」
薫は「もちろん」と言いうなずく。
「泊まってく?」
「いや……」
一人暮らしのマンションに帰る……と言おうとして、薫はふと視線に気づいて目をあげる。そして総司の冷たい……凍えそうな位冷たい瞳と視線がかちあった。薫はあっさり気分を変える。
「……そうだな、久しぶりに泊まっていこうかな」
「ホント!?」
とたんにパッと嬉しそうに晴れる千鶴の表情。それを見た総司の眉間に一瞬深い皺が寄ったのを薫は見逃さなかった。
楽しくなってきたなと薫は言葉を続ける。
「いつも通りお前の部屋に布団敷いといて」
千鶴の「うん」という声と、総司の「はあ!?」という声がかさなる。
「なんで千鶴ちゃんの部屋に布団しくわけ?意味わかんないんだけど」
思わず、と言う感じで総司がこぼした言葉に千鶴は首をかしげた。
「……沖田先輩?」
何をそんなに怒っているのかという表情の千鶴を見て、総司はハッと我に返る。
「い、いや……だからさ、高校生の妹と同じ部屋に寝るって、変わってるなーって……」
「うち、狭くて……。お布団を敷けるような場所って私の部屋ぐらいしかないんです」
確かに初めて上がらせてもらった雪村家は、一昔前の建売住宅で狭い土地に無理やりたてた感満載の間取りと狭さだった。でもだからといって……不満そうな総司にさらに追い打ちをかけるように薫が千鶴に言った。
「お前寝相わるいからなあ。蹴るなよ」
「け、蹴らないよ!」
「嘘つけ。何度蹴られたか。寒そうに潜り込んで来るから布団かけてやったらぐーすか眠り込んでしまいには蹴るわ足乗せてくるわ…まあ今日はあったかいから大丈夫かな」
「ちょっ…!こんなとこで言わないでよ!」
千鶴は顔を真っ赤にして薫をぽかぽか叩く。薫は痛いといいながらも『しょうながいなあ』的な兄貴笑顔で千鶴を見ている。
そして全く外野で一人ぽつんと座っている総司の表情は、どんどんひきつっていっていた。
「……一緒に寝てるんだ?」
総司の言葉に千鶴は赤くなりながら否定する。
「違うんです!あの、私お布団で、で薫もその隣にお布団なんで寝返りをうったときにそちらに行っちゃったりするってだけで、一緒に何か寝てないんで!」
「まあそういうことにしてやってもいいけどさ。でもお前が春休みとか夏休みに東京見物しに俺んち泊まりに来るときは同じベッドだろ」
「薫のベッドは広いからいいの!それに薫の家には余分のお布団とかないじゃない」
「まあ俺はべつにいいけどさ」
薫はそう言いながら、再びちらりと総司を盗み見る。表情はかわらないものの膝の間で不自然なほど強く握っている手は、ふるふると震えている。薫の顔に勝ち誇ったような笑顔が浮かんだ。からかう余裕もでてくる。
薫は再びソファにふんぞり返ると腕組みをして総司を見た。
「で?沖田…だっけ。彼女とかいるわけ?」
「か、薫…!?何いきなり失礼な事……」
千鶴はぎょっとしてあわてて薫の口を塞ごうとした。しかし間髪入れずに総司が答える。
「いません。一人も」
「ふーん、もてないんだ」
薫の馬鹿にしたような返答に、千鶴がふたたび慌てる。
「薫ってば!!沖田先輩は学園でも有名人でものすごーーーーくもてるんだよ!剣道でも有名だから校外でもよく可愛い女の人に話しかけられたりしてるし!そうですよね?」
千鶴の最後の言葉は総司に聞く。しかし総司はそれをスルーして薫の目をヒタと見つめて言った。
「僕は一途なんで。好きな子ができたらその子だけなんですよ、生まれ変わってもね」
「……」
バチバチッと総司と薫の間に火花が散る。
当然そんな火花など見えない千鶴は、総司と薫の険悪な雰囲気にあたふたしていた。
薫が肩をすくめて、手をのばしてティーカップをとる。一口飲んだ後に言った。
「誕生日も知らない、告白もしてない、それで『生まれ変わっても好き』とか言われてもね」
総司は、持っていたカップを置いて、再び薫をまっすぐ見る。
「じゃあ今言おうか?」
そして一体この会話はなんなのかと首をかしげている千鶴の方を見た。キョトンとしてこちらを見ている千鶴の大きな瞳と視線をあわせて。
総司は真剣な光の宿る緑の瞳で、千鶴を見つめた。
「……千鶴ちゃん、僕とつきあってください」
「断る」
即答したのは薫だった。
千鶴は剣道部の人気者である沖田先輩からの突然の告白にポカンとし、次に薫の返答にまたポカンとして固まっている。
総司が薫をにらみつけた。
「あんたには言ってないし」
「千鶴は俺の大切な妹だ。しかもまだ未成年のな。お前なんかに渡せると思うか?」
「渡す渡さないとかシスコンキモすぎ。父兄は遠慮してほしいな。僕は千鶴ちゃんに聞いてるんだけど」
薫にそう言い返すと、総司は再び千鶴と見る。
「千鶴ちゃん、こんな風に言うつもりはなかったんだ。もうちょっと仲良くなってからと思ってたんだけどお兄さんがせかすしいい機会かなって思ってさ。こんな場所でこんなギャラリーの前での告白とか申し訳ないけど、千鶴ちゃんのことずっとすきだっ……」
ガチャン!と大きな音がかぶさり、その後の言葉は千鶴の耳には届かなかった。
薫が自分のティーカップをソーサーに乱暴に置いたのだ。
「千鶴が嫌がってるじゃないか。もう帰れよ」
低い声で唸るようにそう言う薫に、千鶴は驚く。
「薫…!なんで沖田先輩にそんな失礼な事ばっかり……!」
「お前もお前だぞ、千鶴。きっぱり断らないからこういうバカがヘンに期待し続けるんだ。ほら、『好きじゃない』って言ってやれ」
薫はそう言うと、総司を指差す。
千鶴は指の先を見て総司を見、そして薫を見て、また総司を見る。
薫と総司の視線が自分に集まっているのに気づき、総司の言葉と薫の言葉を思い返し、千鶴はぼぼぼっと赤くなった。
「……えっと…えー…っと……」
赤くなって俯いてしまった千鶴に、薫がいらいらと声をかけた。
「千鶴は優しいから言いにくいんだな。俺が代わりに言ってやるよ『まっっったく好きじゃないんで。っていくかウザいんで。もう話かけな……』」
「薫!!」
薫の言葉は、怒ったような千鶴の声にさえぎられた。不意打ちを食らい目を瞬いている薫を睨み、千鶴は「自分で言えるから」と言うと、総司に向き直った。
「あの、こ、告白していただいてありがとうございます」
座ったままだが深々と礼をする千鶴に、総司も一瞬毒気を抜かれて頭を下げる。
「あ、いや、そんな…」
「その……私、沖田先輩がそんな風に思ってくださっていたなんて全く知らなくて、その…ずっと先輩として尊敬していたので正直すごくびっくりして……。でも嬉しいです」
千鶴の最後の言葉に、総司は顔をあげた。千鶴は恥しそうに頬を染めてはいたが、嫌そうではなく、どちらかといえば嬉しそうな……?
総司と薫が千鶴の顔を見ていると、千鶴は続ける。
「あの、とっても嬉しかったです。先輩の事を好きかって聞かれると『わからない』としか今は答えられないんですけど……」
総司の瞳に、甘い光が浮かぶ。
「『今は』ってことは、これから変わる可能性もあるってこと?」
千鶴が迷った末に恥ずかしそうにコクリと頷くのを見て、総司は嬉しそうに笑った。目じりがうっすらと赤くなっている。
「よかった……!じゃあ、じゃあさ。初めは友達からってことでどうかな?」
「だめだ」
またもや即答で答えた薫に、総司はうるさそうに「オニイチャンは黙っててよ」と言うと再び千鶴を見る。
「どう?」
「はい。その……嬉しいです。喜んで、です」
恥しそうに見つめあう初々しい二人。
その横で苦虫をかみつぶしたような顔をしている薫。
これは何か?まさか自分が二人を付き合うような方向に導いてしまったとかそんなオチで終わるのか?
薫はいつまでも見つめあってバカみたいに微笑んでいる二人の間に入ると、ガチャガチャとケーキ皿やティーカップを片付け始めた。
「はい、もう終わりだから。終了。他人は速く帰ってくれるかな」
「あ、じゃあ駅まで送っていきます」
さっと立ち上がりそう言った千鶴に、薫はぎょっとする。「冗談じゃ……」ないと言おうとした薫より早く、総司が「ホント?嬉しいなあ!」と大声で言うとソファからカバンを持って立ち上がった。
「じゃ、オニーサン片付けすいませんね。今度ともよろしく」
総司はそう言うと、千鶴の背中に手を置いて勝ち誇った顔薫を見た。
『お前も片付けろ!』と言うとこの家での総司の滞在が伸びてしまうし、『とっとと出てけ!』と言うと千鶴が送って行くとついていってしまい二人きりにさせてしまうことになる。
ぐぐぐぐぐ……
と下唇を噛みながら、部屋を出ていく二人の背中を睨みつけることしか薫にはできなかったのだった。



『手をつなごう』……とかはさすがに拒否られるかな……

総司は隣を歩いている千鶴の、何も持っていない手を見ながら考えていた。付き合う前提でお友達からのスタートだ。
友達で手をつなぐのは、千鶴の性格だとないだろう。
まあ、でもただの先輩後輩から一歩踏み出すことができたし、あの『薫』は本当に邪魔ものだけど今日はいい仕事をしてくれた。
総司は満足気に頷く。その時隣を歩いていた千鶴が、総司を見て申し訳なさそうに謝ってきた。
「あの……うちの兄が失礼な事ばっかりして本当にすいませんでした」
「ああ…、別に気にしてないよ。よっぽど妹を僕に取られるのがいやなんだね」
「と、取られるって……」
千鶴の頬が赤く染まった。夕方の遅い時間の薄暗さでもはっきりとわかるほど。
ちょっと急ぎ過ぎてひかれたかな…と総司はそれ以上は言うのを止めた。あまり焦りすぎて失敗するのだけは避けたい。取るの取られるのの前に、まず千鶴ともっと仲良くならなくては。
総司は気分を変えるように話題を変える。
「ところでさ、オトモダチになったんだよね?僕達」
「は、はい!」
あの『沖田先輩』と、年下の癖にオトモダチになるなど何か恐れ多い気がするが、確かに先程居間でそう言う話をしたので、千鶴はうなずいた。総司はそれを見て続ける。
「じゃあさ、次の日曜、映画でも見に行かない?」
もちろん二人で。
しかし千鶴はあっさりと即答した。
「すいません、その日は薫と出かける予定で……」
「……お兄さんと出かけるの?二人で?」
総司の表情に気づいた千鶴は、無邪気に頷いた。
「ええ、よく出かけますよ?沖田先輩はご兄弟と出かけたりしないんですか?あ、もしかして一人っ子とかですか?」
「いや、姉がいるけど……。でも二人きりで出かけるなんて皆無だね」
小学生の頃は家族みんなで出かけたりもしたが、総司が中学に上がったころからそれぞれ自分たちの友達とでかけるようになってしまった。だいたい姉弟二人でどこにでかけるというのか、それは楽しいのだろうか?総司がそう言うと、千鶴は首をかしげる。
「楽しい……と思いますけど……」
「一体どこに行くわけ?」
「薫が最近バイクを買ったんで、それに乗せてくれるって。山の方へドライブに行こうかって話してるんです」
「……」
まるきり恋人同士のようなお出かけに、総司は沈黙する。総司も一応原付は持っているが二人乗りは禁止だし……
「君のお兄さんさ、そういうのに一緒に行ってくれる彼女とかいないわけ?」
「彼女は……いたりいなかったりみたいです。あんまり話してくれないんですけど。今は多分、居ると思います。私の知らないうちに別れちゃったかもしれないですけど」
千鶴の言い方はくったくがなくて、総司は訳が分からなくなってきた。訳が分からないが……まあもしかしたら妹と兄ならそういうのが普通なのかもしれない。総司がヘンな色眼鏡で見てるだけで、仲のいい兄妹はこんなものなのだろうか。ちょっと過去の経緯や独占欲満載な薫の態度から、総司自身の見方も少しゆがんでしまっただけで、千鶴と薫は年もかなり離れているし、親のような感じで仲がいいのかも……
総司が自分で自分を納得させようと、そう考えていると千鶴の口から爆弾が落ちた。
「薫と私は血がつながってなくて」
「ええええ!!?」
総司が立ち止まって目を見開いて千鶴を見る。千鶴は総司の驚き様に驚いたようで、慌てたように続けた。
「あ、いいえ、正確には半分だけつながってるんですけど。……うちの家族は複雑で、本当なら私は雪村家で育ててもらえるような立場じゃなかったんです。それを薫がひきとってくれて、育ててくれて。大変だったと思うんですけど……ご飯も洗濯も遊び相手も、悩みごとの相談もいじめられたときもテストで100点取ったときも友達が出来たときも、私は小さいころから全部薫でした。だからちょっと…ブラコンぎみなのは自分でも自覚しててるんですけど」
恥しそうに頬を染めた千鶴を、総司は茫然と見つめた。
なんだこの途方もないハンデは。
総司の唯一のリードは、血がつながっていないという一点だけではないか。
彼氏にはなれるけど、『彼女』の中で悩み事やつらいことがあったときに一番に頼るのが彼氏ではなく兄であれば、総司としては面白くない。
面白くないというより、はっきりいって不快だ。

しかし千鶴をあきらめる気はさらさらない。
いい気になってるヤツの鼻をへし折るのはさぞかし楽しいだろう。

総司は心の中でボキボキと指を鳴らし、薫に対して宣戦布告をする。そしてそんな気配は欠片も感じられないさわやかな笑顔でにっこりと千鶴を見た。
「じゃあ来週どう?日曜日に映画」
「は、はい。大丈夫です」
「それから来週からは毎日帰りに千鶴ちゃんを家まで送って行ってもいい?」
「え?沖田先輩がですか?」
「うん。いや?」
「い、いやじゃないですけど……」
毎日二人で帰るのを見られたら、学校でいろいろ騒がれるのではないだろうか……と千鶴はちらりと不安になった。
しかし、総司と仲良くなれるのは嬉しい。いきなり二人っきりは少し緊張するが。
「じゃ、決まり。来週からよろしくね」
「は、はい…」


千鶴の知らないところで、二人の男による冷戦がはじまりを告げるゴングが高らかに鳴ったのだった。




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