孟徳の手が花の胸を包む。
執拗に先端を転がされ、花は固い机の上で身をよじった。孟徳はそんな花の様子を見ながら、唇を寄せる。
「あっ」
唇に含まれ下で転がされると、花の腰は自然に浮いた。上にのしかかっている孟徳のそれにこすりつけるようになってしまう。
彼のものは固くなり、服の上からでも感じられた。熱いものにふれたようにハッとして引いた花の腰を、孟徳は片手で引き寄せた。そしてゆっくりと予感させるように腰を押し付けながら回す。
「……花ちゃん……」
低く熱い声が耳元で聞こえ、花はびくりと目を閉じた。
「感じる?これ……」言うと同時に押し付けられた彼の腰。あからさまな言葉に、花は上気した頬をさらに赤く染めて小さく頷いた。
孟徳は再び花のくちびるを奪うと、敗れた花の服を全部払いのける。それと同時に机の上に載っていた数冊の書物と硯、筆の乗った盆を払った。
がシャン!と激しい音がしてそれが床に落ちるのを、花はぼんやりとした頭で聞いた。孟徳の手がお腹から下へと滑っていき、意識がもうろうとする。
花は暗い書庫の天井を見上げた。横の壁一面に竹簡が整然と並べられ何か印をつけた石版が立てかけてある。
こんなところで……と思った瞬間、花は小さく悲鳴をあげた。
「あっ!」
孟徳の頭が手の後について花の下半身へと下がっていったのだ。机なので、孟徳は床にしゃがむようにして、机の上の花の秘部へキスをする。
こんなことはこれまでされたことがない。花は戸惑って体を起こそうとしたが、その時に敏感な粒を優しく吸われて、1オクターブ高い悲鳴のような声をあげて再び机に突っ伏してしまった。
いや……なに?
これ、孟徳さん……し、舌が……あっそんな……!
執拗につぼみを転がされ、長い指がなかに入り探る。
「も、孟徳さん……!」
「はあ、……甘い。君のここは甘いね」
おいしそうに音を立ててなめられ、舌の先で小さな円を描くようにされ、花は一気に上り詰めた。
頭が一瞬真っ白になり腰から電流のようなものが足先と背筋へと伝わる。
「あっあ、……ああっ…!」
びくんびくんと痙攣のように花が体を震わすのを見て、孟徳はようやく口を離した。手の甲で口元をぬぐうと、絶頂の余韻でまだぼんやりしている花に再びのしかかる。
「……いったの、初めてだね」
耳元でささやかれ、花は焦点が合わないまま孟徳の顔を見た。
暗闇に慣れた目には、彼の焦がれるような表情がよく見える。
「いく……」
とろりとつぶやく花の脚を割り、孟徳は自分の腰を当てがった。そこはとろとろに溶けて動かさなくても迎え入れるようにするりと入ってしまいそうだ。
「そう。初めてだったからね、ゆっくりやろうと思ってこれまではあんまり、その……突っ込んだことはしてなかったんだ。緊張してたみたいだし、まだ狭くて痛いみたいだったし。でも今日は、君の方から積極的にきてくれたから……っ…くっ……ああ、……」
話の途中で、孟徳は抑えきれずにはやっている自身を、彼女の温かな液体の中に埋めた。
「あ、あ、……ああ……」
いつもは彼の侵入に痛みを感じて体を固くする花も、今日は絶頂の後の弛緩した状態のまま柔らかく受け入れる。
孟徳はそのまま花に口づけをすると、ゆっくりと動き出す。深く入ると舌も深く絡め、浅く細かく動くときは軽く何度も唇を合わせる。
緩急つけた孟徳の手練れの動きに花は面白いように翻弄された。
頭の隅で、これまでのお行儀のいい彼の閨での行為は、初心者の花にあわせてくれていたのかとぼんやり思う。理性を保つことが難しいくらいの快感が、孟徳が動くたびに彼女の下腹から生まれ、花はもう何も考えられずに彼の体の下で思うがままに啼くだけだ。
再びあの白い衝撃なようなものがやってきて、花は悲鳴のような喘ぎ声を共に足をピンと突っ張らせた。
「ああ……あ……ん……」
彼がなかにいる状態での絶頂は、唇だけのものとは違いとても深った。眠りにつく寸前のように、意識がずっしりと重い雲のようなものに覆われて、花の瞼は閉じそうになる。
「まだだよ、花ちゃん」
孟徳は楽しそうに花にそういうと、深く挿仕入れた。
「あっ!」
跳ねた花の腰を抱えて孟徳はそのまま起き上がらせる。机の端に花を座ったような形にさせて自分は立ち、孟徳は思うが儘に腰を動かした。
「あっあ……あっあっ、いっいや……!孟徳さん、ダメ!あっん……!ああ、ああ……ダメ、お願い、また……また、……っ」
「何回でもいっていいよ、君をたっぷり味あわせて」
息を弾ませながら孟徳が言う。「あっ!」と花はのけぞって何度目かの絶頂を迎えた。しかし孟徳は今度は動きを止めなかった。
「孟徳さん……もう……」
「だめだよ、まだ俺は満足していない」
いった直後の花の中はまだ敏感で、激しく動かれたせいでさらに深い絶頂への階段を上り始める。それはもう痛いのか気持ちがいいのか、嬉しいのか悲しいのかわからなくなってしまうような快感だった。
「ああっ……」
ぐったりと疲れているのに外部からの刺激で花の体はまた跳ねる。
その夜、書庫からは途切れることなく悲鳴のような喘ぎ声が廊下に響いていた。
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