暗転部分です!


ああ、やっとだ……
ずっとずっと、ずっと我慢していたものをやっと解放できる。
心臓が痛いほど高鳴ってうるさい。沖田は立ったまま何度か軽く口を合わせた。抱き寄せている千鶴が震えているのを感じると、胸に何か熱いものがこみあげてくる。沖田は心のまま舌を深く差し入れた。千鶴の舌を甘く絡め吸う。千鶴の奥の奥を何度も探る。息継ぎに口を離したときに、コクンと千鶴が二人の入り交じった唾液を飲み込む音が沖田の腰に甘く響いた。沖田が我を忘れてまた口づけをしていると、だんだん千鶴の体から力が抜けてくるのが分かった。
熱く荒げた息の合間に千鶴を見てみると、真っ赤に上気してとろんとした顔をしている。沖田は千鶴を抱き上げると入口から寝間に入って千鶴を布団に下ろした。
千鶴はぼんやりしていて状況がよくわかってないようだ。
「いい?」
沖田がもう一度聞くと、千鶴はわからないままうなずく。
熱く長い口づけで千鶴はもうなにもわからなくなってしまっていた。わかるのはとにかく沖田がこの熱を何とかしてくれるということだけ。
沖田の手が千鶴の襟元をグイッと開き上半身を夜気にさらした。袴の紐もほどいて下に下げる。そして行灯の光の下で千鶴の半裸をじっと見つめた。
「……きれいだね」
自分の声が驚くほど低くなっている。図らずもゴクリと生唾を飲み込んでしまった。千鶴はとろりとした顔のままだったが、「沖田さんも……」と細い手を絡まっていた袖から抜いて沖田の頬に伸ばす。触れるか触れないかのところで千鶴の細い指が頬をすべり、沖田はゾクリと体を震わせた。千鶴の指に軽くキスをすると、体を起こして自分の羽織を放り投げ、着物をはだける。腕を抜いて帯をほどくのももどかしく腰のあたりにまだ絡まったまま沖田は裸の体を千鶴に合わせた。
初めての、そしてようやくの肌の接触に、沖田と千鶴は双方「ああ……」と声を漏らす。

沖田さん、熱くて硬くて……体がこんなに大きいんだ。
千鶴ちゃん、ひんやりして柔らかくて……いい匂いがする。

夢では快感がメインだったが、現実はあらゆる感覚が刺激されて頭が真っ白になる。
沖田は念願の千鶴の耳に口づけをした。
「あっ」
戸惑ったような小さな声が上がり、沖田の胸はいっぱいになる。夢と同じだなどと思う余裕もなく、もっとその声が聴きたくて沖田は千鶴の耳をなぶった。沖田の唇はうなじを伝って口づけに戻る。体をこすりつけるようにしながら、ゆっくりと舌を差し入れる。千鶴が「んっ」と息を荒げて応えてくれた。
逃げるようにうねる千鶴の体を押さえて、沖田は両手で千鶴の腰から上へ撫で上げた。
「ああ……あっ、沖田さん……」
抗議をするような千鶴の声を口づけでふさいで。沖田の手は千鶴の胸を包んだ。びくんと千鶴の体が丸まる。沖田は耳やうなじ、唇を味わいつつ、千鶴の敏感な反応を楽しみながら両手で千鶴の柔らかな胸を揉んだ。沖田さん、だめ……という千鶴を大丈夫だからと優しくなだめ、柔らかなふくらみの頂を指ではじく。
「んっ……あっ……あ、沖田さん……」
「ここが気持ちいいの?これは?」
強くつまんだり軽くはじいたりこねたりしながら千鶴の反応を確かめていく。千鶴の敏感な反応に沖田は夢中になった。頭を下げてピンク色の粒を口で含む。そして手で千鶴の腰をなぞりながら彼女の脚にまだからまっている袴を取り除き、すべすべとした太ももをなであげる。千鶴が責められている胸に意識を取られている間に、沖田の手は太ももの内側をゆっくりと撫で上げ、温かく潤んでいるところにたどり着いた。
「あっいや!沖田さん、だめ……」
「だめじゃないよ、初めては痛いらしいからゆっくりほぐさないと」
「でもそんなところ……」
「僕もそんなに詳しいほうじゃないから、千鶴ちゃんが教えて。どこが嫌でどこが気持ちいのか。……ここは?」
「あっ……あ、そこ……」
掌で優しくゆすったり、指で表面をそっとなぞったり。人差し指でぬるぬるとした割れ目をたどり、固く屹立している小さな突起をそっとなでたり。
千鶴は恥ずかしいながらも沖田の問いに答えてくれる。
「これが気持ちいいの?」
潤みを指につけて粒の上で触るか触らないかの優しさで円を描くように回すと、千鶴の喘ぎが激しくなった。
「気持ちいい?いきそう?初めての子は一度いけるとあとが楽らしいよ」
「わからな……あ、ああ、あん!あ、だ、だめ…沖田さんだめ…!」
沖田がそのまま指の動きを続けながら、長い中指で潤みの中へ差し込んでいく。敏感な芽のちょうど内側にある場所を外と中でコリコリとなで続けていると、千鶴の目がどんどんとぼんやりとしていった。親指が芽を転がすたびに腰が浮いて小さく何度も喘ぎ、いやいやというように首を左右にふる。きっとここだ。
千鶴の反応に全身の神経を集中させながら、沖田はゆっくりとそこへの愛撫を続けた。だんだんと千鶴の声が切羽詰まったものになり、それに比例して沖田の熱も熱く固くなっていく。最後にあっと叫んで千鶴がのけぞりびくんと痙攣をした。中に入れていた沖田の指が締め付けられる。
「千鶴ちゃん、……いった?」
千鶴は、ぼんやりと魂が抜けたような表情で沖田を眺めている。全身が弛緩しているようで恥ずかしがることもなくくたりと体を布団の上に横たえていた。沖田自身の高まりももう限界だ。
「千鶴ちゃん……」
沖田は身を乗り出して千鶴の顔の横に肘を置く。体を重ねて、沖田の熱を千鶴の潤みにあてた。そしてそのまま腰を軽く揺らして先端で千鶴の入り口を何度もなであげる。沖田の先端が千鶴の敏感な芽を刺激するのか、千鶴はそのたびに小さく喘ぎながらビクリビクリと体をはねさせていた。
「いくよ……」
ゆっくりと腰を抽送させながら少しづつ入っていく。千鶴はぼんやりとしながらも小さな声をあげた。
「痛い?」熱い息の合間に沖田が聞くと、千鶴は小さく首を横に振った。
「……あっ」
さらにその先に押し込むと、沖田の方にも抵抗を感じた。それと連動して千鶴の顔がゆがむ。「ここから先が痛いのかな」
総司は一度軽く抜くと、また少しづつ腰を揺らしながら進めていく。千鶴の手が沖田の肩をつかみ全身を固くするのを、口づけでなだめながら沖田は一気に貫いてしまいたいのを必死に我慢して、ゆっくりゆっくりと体を進めた。しかし少しづつなのでなかなか進まない。千鶴の顔はしかめられたままだ。
「痛い?いったん抜こうか」
「いえ、それよりも……」千鶴が目を開いて沖田を見る。「また痛いだけですし少しずつよりも、いっそのこと一気に……」
「大丈夫なの?」
千鶴の言葉に沖田はなんだかおかしくなった。今回の逢瀬を提案したのも千鶴だし、そういえば最初に屯所に来た時に逃げ出そうともしたんだっけ。意外に肝がすわっている。
沖田もきつくてつらいと言えばつらいが、一気に貫いて根本まで埋めたいという強い欲望はそれをはるかに上回る。
千鶴がうなずくのを確認して、沖田はぐっと腰に力をいれて一気に進んだ。先端から根元にかけて包み込まれるような快感が背中を貫き、思わず小さくうめき声を漏らしてしまう。千鶴も甘く高い声をあげる。「ああっんっ」
華奢な千鶴の体をぎゅっと抱きしめながら奥まで収める。
「……全部入ったよ」
千鶴を見ると涙目だ。相当痛いのだろうと思うが沖田ももう限界だった。「っはっ……千鶴ちゃんの中、気持ちいい……動いていい?」
「だっだめです!」
いきなりの強い否定に、沖田は目を瞬いた。「……だめ?」甘くおねだりしたが、千鶴は「だめ、ダメです。お願いです。ちょっと…ちょっとまってください。今はちょっと……」
はあ、はあを顔を赤くしながら焦ったように言う千鶴に、沖田は勝手に動き出してしまう腰をぐっと我慢した。こっちは全然痛くなくて気持ちいいだけなのだから、ここは待ってあげるのが当然だろう。……とは思うもののつらい。体から勝手に汗が噴き出して、全身の筋肉に力を入れて必死に耐える。
「……まだ?」
小半時(15分)したときに、どうにも我慢ができなくて沖田は千鶴に聞いた。千鶴は首を横に振って上目遣いで懇願するように言った。「すいません……あとちょっとだけ」
くっと耐えている沖田は、ちらりといつもの意地悪の仕返しをされているのかと思ってしまった。さすがにそれはないとは思うが。せめて気を紛らわすためにもと沖田は千鶴の頭の両側に肘をつけると深い口づけを何度もした。舌を深く絡めると腰も勝手に動いてしまいそうになるが、そこはぐっと我慢をして。ぽたぽたと汗が千鶴の上に滴る。「ああ……」千鶴の中が熱くうねるようになってきて、動いてもいないのに沖田の腰は快感でしびれてきた。頭の中身も気持ちよさでとろけてドロドロでまともにものを考えられない。
「千鶴ちゃん……もう限界なんだけど」
このままでは動かないままいってしまいそうだ。それは避けたい。千鶴はまだ少し怯えが残る大きな瞳で沖田を見上げ、うなずいてくれた。
「いいの?」
もう一度千鶴の了解を確認して、沖田は腰を一度引いて突く。「あっ」千鶴が声を上げたが、全身を貫く快感があまりにも強烈すぎて沖田にはきこえていなかった。夢中になって沖田が突くたびに小さな声をあげる。痛いのかなと思うが、我慢の限界を突破していた沖田は、気遣う余裕がなくて何度も何度もこすり上げてしまう。自分の体の下にある千鶴の白いからだが、沖田の動きに合わせてうねる。
むせるような甘くみだらなにおいに閉じ込められて、沖田の思考は完全にとんだ。本能に任せて狂ったように千鶴の奥を何度も何度も突いた。
「あっ…千鶴ちゃん……!」
解放に突き進んだ沖田は、最後の最後で千鶴の温かい中から自分の熱を抜き、彼女の白い腹にぶちまけた。


最後の時を迎えた後、千鶴はうとうとしてしまったらしい。
目が覚めた時は障子の向こうが朝になりかけの青い光で少しだけ明るくなっていた。千鶴の頭の下には沖田の手があり、反対の手が千鶴を後ろから抱え込んだまま二人で眠っていた。沖田の安定した吐息が千鶴の首の後ろにかかり、背中が彼の体温で温かい。
わあ……なんかこれ……
すごい幸せ。絡んだ脚が、背中に感じる彼の鼓動が、これまで千鶴が感じたことのない安心感を与えてくれる。味わっているうちに千鶴はまたうとうとしてしまったらしい。
次に目が覚めたのは、沖田の身じろぎだった。体勢は同じく後ろから抱えられている状態だったので、千鶴はゆっくり振り返る。
「起きた?」
眠そうな緑の瞳が優しく問いかけて、千鶴は少し恥ずかしかったがうなずいた。
「おはよ」沖田はそういうと、優しく口づけをする。昨日から口づけはもう何度も何度もして、もうお互いの一部がまじりあったみたいだ。
「お風呂があるみたいだよ。さっき店の人が玄関で言ってた」
「そんなのもあるんですか」
「そんなのがあるところを借りたからね」
そうなのか……ここの手配は沖田が全部やってくれた。千鶴はハッと気づいて体を起こして振り向く。
「沖田さん、ここのお金……!沖田さんが払ってくれたんですか?私も半分……」
いきなり起き上がった千鶴に目をぱちくりさせていた沖田は、ぶっと噴き出した。そして千鶴の肩を抱き寄せて、今度はお互いが向き合うようにして横たわる。
「いいよそんなの。君そもそも給金もらってないでしょ」
「そうですけど……」
千鶴が沖田を見ると、彼の緑の瞳が柔らかくとろけた。そして千鶴に覆いかぶさるように起き上がると、口づけをする。軽いのと深いの、熱いのとあっさりしたの。何度も何度も口づけていくうちに、千鶴の太もも辺りに何か固いものがあたる。これは昨日の経験からいうと……
「お、沖田さん……」
「ね、千鶴ちゃんのせいだよ」
「……」
「……無理?」
甘くねだられて千鶴の胸はキュンとうずく。胸の疼きと連携しているのか下腹の奥が熱くなった。
「大丈夫だと思います、多分……」
千鶴自身も沖田をもっと感じたい。肌の熱さとか熱い吐息とか、緑の瞳が暗く潤むのを見たいのだ。沖田はニヤリとすると千鶴に本格的にのしかかった。
口づけを存分にした後、沖田の唇は千鶴の胸に下がっていく。千鶴は、そういえば、と思い出して沖田の髪に自分の指をさしいれた。
あ、やっぱりやわからい……
かき混ぜるように髪を混ぜると、千鶴の胸から沖田が目だけで千鶴を見上げた。
ああ、この目……
千鶴の顔は赤くなる。
昨夜で千鶴の感じるところがわかっているのでそこからは順調だった。沖田が入ってきても昨日ほど痛くはない。沖田も昨日ほどの切実感がないようでゆるゆると触れ合いを楽しむように腰を動かしている。
「これは?」昨日と同じように、沖田自身で千鶴の中を探り、千鶴の反応を一つ一つ確かめていく。その中で、浅いところ……敏感な芽の裏側を沖田の熱でこすり上げると、千鶴の反応が変わった。声を出すつもりもないのに胸の奥から甘い喘ぎ声がこぼれ落ちてしまう。
「この浅いのがいいの?」
とまどう千鶴の腰をつかんで体をおこし、沖田はそこを何度も突いた。朝の光の中ですべてがあらわになった千鶴の痴態は、頭がくらくらするほど悩ましい。沖田の息もあがっていくが、昨日ほどの切迫感はまだない。そのままそこをこすっていくと、「あっ」と叫んで千鶴がけいれんした。と同時に中にあった沖田自身が千鶴にぎゅっと締め付けられる。
「うっ……!」あまりの気持ちよさに思わず声がでてしまった。千鶴はまだ時折びくんと跳ねてはいたが、ほーっと息をついて全員の力を抜いた。
「……いっちゃったの?」
沖田は千鶴の頭の両脇に肘を置いて千鶴の顔を覗き込んだ。まだ繋がったままの沖田自身は、千鶴の中の痙攣に優しくなでられている。視線がうつろでぼんやりしている千鶴の奥を、沖田はその姿勢のまま深く突いた。奥で何かに触った感触がある。そこを沖田自身でなでるように突いていると、千鶴がふたたび感じ出した。しかも前よりも強烈な感覚のようだ。
「お、沖田さん、そこ……だめっ……あっあ、だめ、そんな奥……奥は……!」
「君がダメっていうのはイイっていうことだって昨日学んだからね」
沖田は千鶴の拒否には構わずそこを突き続ける。沖田の下で激しくうねる千鶴を体で抑え込み、沖田は激しく何度も何度も突いた。
「お、沖田さん……もうだめ、だめ」
「千鶴ちゃん……僕も、もう……」
沖田が口づけをすると、千鶴の喘ぎが口の中にもれる。千鶴が手を沖田の頬に伸ばした。
「あ、沖田さん……沖田さん……好きっ……好きです……」
切なそうな顔でそういわれ、沖田の熱はさらに固く熱くなった。
「千鶴ちゃ…っん!僕も……」達して痙攣している千鶴を強く抱きしめ、沖田は「好きだよ」と言うと同時に、自分の滾りを千鶴の中から引き抜くと、千鶴の太ももに吐き出した。

くたりとした千鶴を風呂に運び、二人で一緒に入った。千鶴の腕は総司の首に回されて二人の裸の体がびったりとあわさっているのが朝の光の中でああらわに見えて沖田の視覚を刺激する。
……また元気になってきちゃったな……
眠いのと快感の残滓でまだとろんと動きも鈍い千鶴のおかげで、またあおられてしまった。ゆっくりとお湯で千鶴のうなじや肩を撫でて昨日の汗を洗い落としてあげた。
「………沖田さん…」
千鶴が気持ちよさそうに、沖田の肩に自分の頭を乗せた。それが親密さと信頼を表しているようで嬉しい。
「眠い?」
千鶴はこくんと頷いた。
「沖田さんは眠くないんですか?」
「全然」
沖田はそう言うと、自分の元気になったものが千鶴にあたるように腰を動かした。瞬間、千鶴がぱっと目を開ける。
「すごくない?僕」
「……すごいです」
沖田は千鶴の耳に唇を寄せる。耳をなめながら耳元でささやいた。
「……いける?」
千鶴は顔を赤くして首を横に振った。
「……すいません、また……その、しちゃうと、多分私帰れなそうです……」
「そっか、残念」
昨日からの濃密な時間のおかげで、どうしても今すぐしたいと言う切迫感はない。この朝日の中、お湯の中でゆっくりと千鶴とするのも楽しそうだったけれど。
それからは二人でのんびりとおしゃべりをしながらお互いの汗を流してゆったりとした時間を過ごした。ぎりぎりと張りつめた日々を送っていた沖田には、初めてと言ってもいいくらいのリラックスした時間だ。千鶴も自然な感じで笑って話して、とてもかわいい。
そう、千鶴はかわいい。
こんなにかわいかったっけ?と思うほどかわいいのだ。疲れて睡眠不足でへとへとで髪もぼさぼさなのに、全身がキラキラと輝いているようだ。ついついうなじや頬に唇をよせて味わってしまうくらいかわいい。
こんなに幸せな朝は、島原に行った後では味わえなかった。いや、島原じゃなくても他の誰とでも味わえないのだろう。
二人で帰る準備をしながら、沖田はしみじみとそう思った。