今日は千鶴ちゃんだけ会社で、旦那さまは家でお休みです。 






■土方さん


帰宅してドアをあけると、イヤに静かな家の中に千鶴は少し驚いた。

歳三さん、いないのかな……?

そーっとリビングに入っていくと、食卓用の机の上一面に、書類、キングファイル、ノート、パソコン、本、携帯電話……
その中で座りながら机に突っ伏して眠っている土方がいた。
せっかくの休みなのに仕事をしている土方に、彼らしいと微笑みながら千鶴はソファの背にかけてあったひざ掛けをそっと土方の肩にかける。居眠りをしている珍しい夫の寝顔を、千鶴はほのぼのとしながら眺めた。
と、土方の瞼がゆっくりとあがる。
「……、ああ、寝ちまったのか……」
「お仕事されてたんですね」
「……せっかくの休みだから、溜まってる仕事をとっとと片付けてお前とちゃんとしたとこにでも夕飯に行こうかと思ってたんだが……」
千鶴は自分のカバンを片付けながら優しく微笑んだ。
「仕事、片付かなかったんですか?何か急いで作りますね」
横をすり抜けてキッチンに行こうとした千鶴の手を、土方は掴んだ。

「……」
何か言いたげなのに何も言わない土方に、千鶴は不思議そうな顔をする。
「?どうしました?」
土方は視線をそらし、咳払いしてからそっけなく言った。

「……お」
「お?」
「…かえり」



(「いつも言われる側だからな。何か照れるな」  照れ方さん)







■沖田さん


千鶴が玄関前で鍵と取り出した途端、どこから見ていたのかドアがいきなり開いた。
「おかえりなさ〜〜い!」
満面の笑みで、にこにこ顔の総司が出迎えてくれる。
千鶴はあまりのテンションの高さに、目をパチパチさせて答えた。
「た、ただいま……」
総司は千鶴のカバンを持ちながら、相変わらずご機嫌で言う。
「お疲れ様!ご飯にする?お風呂にする?それとも……僕?」

…………

「あの、ご飯を……」
「作ってない」

…………

「じゃあお風……」
「わかしてない」

…………

「……」
じり……じり……と、玄関の隅に追い詰められる千鶴であった。




(お約束ですね(笑))






■斎藤さん


ブラウンのカフェエプロンをした斎藤が、玄関のドアを開けてくれた。
「お帰り、千鶴」
中からサンマを焼くいい匂いがする。
「すぐ夕飯ができる。今日のメニューはキノコご飯とサンマの塩焼き、肉じゃがだ」
「お味噌汁はお豆腐ですね♪急いで着替えてきます」

着替え終わった千鶴が洗面所で手を洗っていると、お玉を持った斎藤がやってきた。
「千鶴。刑事ドラマでは、何故犯人は崖の上で自白をするのだろうか?」
「えっと……そうですね。なんででしょうか?刑事さんは崖が多いですね」

(昼に再放送のドラマ見てたんだ……!)

「ふむ……」
千鶴がタオルで手を拭いていると、斎藤はさらに続けた。
「それと、レッサーパンダが立ったそうだ」

(ワイドショーもチェック済みだ……)



(ワイドショーネタ、古くてすいません)








■平助君


千鶴が玄関のドアを開けると、中からドンガラガッシャーン!!という音と平助の叫び声が聞こえてきた。
「うわ〜!!!なんで食洗機から食器が飛び出してくるんだ〜!!」
焦げたような、煮詰まりすぎたような、微妙な匂いもする。

「へ、平助君……?ただいま……」
千鶴がキッチンを覗き込むと、ジーンズにポロシャツ姿の平助が食洗機の蓋を閉めようと悪戦苦闘していた。
「お!千鶴おかえり!疲れたろ!メシつくろうと思ってやってたんだけどよ……」
二人でキッチンを見渡す。
不気味な音を立てている鍋、出っぱなしの水道、何故かまき散らされている箸やフォーク……
千鶴が茫然としながら言った。
「夕ご飯作ってくれたんだ」
「今日は俺は休みだからさ。千鶴のためにいろいろしてやろうと思って。昼間は洗濯して掃除して、千鶴のゲームのレベル上げ、やっといてやったぜ。これでラスボス倒せると思うし」
平助がそう言ったとたん、不気味な音を立てていた鍋の中から、パーンッと大きな音がして何かわからないものが鍋の外にはじけ出た。

「…………」

二人でその謎の物体を眺めた後、平助が苦笑いしながら言った。
「……食べる?これ」
ぷっ!と千鶴は吹き出す。
くすくすと笑いながら千鶴は言った。
「ごめん平助君。遠慮しておくよ」
平助も笑い出す。
「だよな〜!外になんか食いに行くか」


千鶴は微笑みながらうなずいた。



(きっと洗濯も掃除もヒドイ有様だったと思います^_^;。レベル上げに専念しといてくれとゆー。)







■左之さん


「おねーさん、かわいいね。一緒に夕飯食べない?」

千鶴が会社を出てしばらく歩いていると、後ろから男の声がした。
聞いたことがあるような気がして振り向くと、車道に停めてあるスポーツカーの運転席から左之が顔をだしていた。

「左之助さん……」
「お帰り。ほら乗れよ、迎えにきた」
千鶴は強張りながらもなんとか微笑んで言う。
「ただいまです……」
「……千鶴?」
千鶴の表情を見て、左之はふっと真顔になり、車からおりて千鶴の傍まで来た。
「どうした?元気ないな」

「………会社で、ちょっと失敗しちゃって……」
左之は微笑みながら小さく溜息をついて、ポンと千鶴の頭に手をのせた。
「ま、話し聞いてやるから元気出せ。ほら、例のあの感じのいい店にでも行くか?お前あそこのビーフシチュー好きだっただろ」

左之が助手席のドアを開けてくれて、千鶴はじんわりと温かさを感じながら車に乗り込んだのだった。


(一家に一人。アニキが欲しいものですね)







                         



■このネタは珠季様からいただいたものです。ありがとうございました〜!!
ネタをいただいたのが初夏で、書いたのが秋……。珠季様、遅くなってスイマセンでした。


皆様のお好みのおかえり隊士は誰ですか?
RRAは……左之さんとか斎藤さんとかなら幸せになるのはわかってるんです……っっでもっ……沖田さんが好きです……orz
  
(それにしても斎藤さんの可愛さは吐血ものですね) 
 
 
☆皆様のお好みのおかえり隊士☆

 土方さん……2人
 沖田さん……3人
 斎藤さん……3人
 平助君 ……1人
 左之さん……1人
 

 









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