※以下は斎藤さんと千鶴ちゃんの艶描写になります。
18歳以上かつ高校を卒業されている方で、裏が苦手ではない方のみご覧ください。











好きになった女子を抱くのは初めてだ。

斎藤は自分の手が震えているのに驚いた。思考が切れ切れになって考えられない。頭の中に真綿をつめこまれたようで、世界が少し遠く感じる。にもかかわず目の前の千鶴の裸体は鮮明に斎藤をとらえた。
それなりの年数を『男』として生きてきて、まあ普通の経験はある。それほど積極的な方ではないので、土方や左之と比べればかなり少ないとは思うが。
だが、好いた女子を抱くのは初めてなのだ。しかもたぶん、おそらく、いや確実に、千鶴は生娘だろう。
生娘と同衾するのも初めてだ。噂ではかなりいろいろと気遣いが必要と聞いたことがある。しかし自分には関係のない話だと思っていたので聞き流していた。
男同士の猥談にはあまり入らなかった過去の自分を、斎藤は後悔していた。
斎藤は、十代のころ、まだ斎藤が実家にいて道場で稽古をしていた時同年代の男たちが話していたことを必死に思い出そうとした。
誰だったか覚えていないが、そっち方面が盛んだった男が町の生娘とのそういう話をしていた記憶がある。
普通にやろうとするとかなり痛がりかわいそうな思いをさせてしまったと。
それに対して別の男が知ったかぶりに助言をしていた。

なんだったか……とにかくやさしく、緊張をほどいて体の力を抜かせた方がいい、だったような気がする。

確かに目の前の千鶴は緊張した様子でぎゅっと目をつぶっている。

「千鶴……力を抜け」
「え?は、はいっ!」

返事がすでに力が入っている。
斎藤は途方に暮れた。ここで冗談の一つでも言って場を和らげるような器量があればいいのだが、あいにく斎藤もいっぱいいっぱいなのだ。
斎藤は必死に道場の時の話を思い出そうとした。

『そうは言ってもなかなかそんなゆったりとはならんだろう』
『だからそういう時はだなー……』

思い出した斎藤は、小さくうなずくとゆっくりと千鶴の肌に手を伸ばした。びくんと反応した千鶴に胸がざわめく。
柔らかく滑らかな肌に斎藤は我を忘れそうになったが、必死に理性をつなぎとめ丸い肩をやさしくなでて口づけをする。
「あ…っん……」
息を詰めるようにして千鶴は唇を受けた。千鶴の柔らかさを唇と舌で探りながら、斎藤は手を胸へと滑らせる。「あっ」千鶴の小さな叫び声をおのれの口内に飲み込んで、斎藤はゆっくりとその柔らかい球を揉んだ。手のひらにちょうど収まる大きさで男を夢中にさせる柔らかさだ。
先端を親指の腹でゆっくりとこすると、ため息のような声が千鶴の口から洩れた。
斎藤は唇を横にずらし今度は千鶴の耳に口づけをする。のけぞるようにして逃げていく千鶴の耳を唇で追い、くわえ、なめる。両手で胸を包み敏感な部分を何度も何度も転がすと、千鶴の口から戸惑ったような悩ましい声が漏れだしてきた。
「あっ……あ……、あ、さいと、さ……だめ……」
「だめなのか?」
「あっ…んっ」
耳元で斎藤がしゃべると、吐息がくすぐったかったのか千鶴が声を上げる。斎藤はそのままうなじをたどり、華奢な鎖骨をなめて唇で胸をくわえた。
「あっ!」
千鶴の驚いた声にかまわずに斎藤は乳首をゆっくり舌でもてあそぶ。「あっ……あ、斎藤さん…!」戸惑ったような千鶴の声。千鶴の細い指が斎藤の髪の中に入ってきて、斎藤はゾクリとした。
それにしても甘い。舌で感じる味もそうだが、千鶴から漂ってくる匂いが甘く、斎藤を酔わせる。斎藤は反対側の胸をなめると、手を下へと伸ばしていった。柔らかな太ももをなで、腰の細さを確かめ、ゆっくりと一番敏感な場所へと指を運んでいく。
斎藤の意図を察したのか、千鶴の体が硬くなった。本能的なものなのか脚を閉じようとする千鶴に、斎藤はなだめるように優しく胸に口づけをした。そして自分の腰で千鶴の脚を割り、指をあたたかな秘所へと這わせる。
「さ、斎藤さん……そんなところ……」
不安そうな千鶴の声。
「大丈夫だ」
斎藤はそう言うと、ゆっくりと手のひらで全体をなでた。
生娘の千鶴にはここを他人に触れられることさえ初めてだろう。
斎藤の指が触れた途端、電流のような感覚が千鶴の全身を走った。
「あっああっ」
斎藤の指は暖かな潤みをとらえ、ゆっくりとそれをなでまわす。全体の形を指先で図ってるように、斎藤の指は繊細に隅々まで探るように動いた。いつもは剣を握り人の命を奪うその手は、今は限りなく優しく動いている。
斎藤の指が下から上へと辿り、敏感な粒を下からそっとなでると、千鶴の腰が跳ねるように動いた。「ああっ」
当然ながら初めての感覚なのだろう。千鶴は驚き脚を閉じようとしたが、斎藤はそのままその粒の上を中指の腹で柔らかくなでた。そしてその中指を下へとずらし、暖かな入り口あたりをさぐり、粒は親指で転がす。
「さいとうさんっ…いや、…だ、だめです、あっ…あんっ…!」
斎藤はいやいやと首を振る千鶴にのしかかり、深く口づけをする。
自分の呼吸が荒くなっているのを感じる。斎藤は頭に血が上りくらくらしていた。
深くまで、彼女の奥の奥までこれから入り彼女の中に隠れているものに触れるつもりだとういうことを伝えるように、斎藤は舌を深く差し入れ彼女の舌を絡め取った。
しばらくそのまま愛撫を続けていると、千鶴の声は甘く鼻にかかるようになってきた。
そして彼女の腰がうごめいて斎藤の手に自らを押し付けるような動作をするようになってきたころを見計らい、斎藤は今度は中指をゆっくりと、さし入れていく。
「っ…あっ…!」
そのあたりはすっかり潤み柔らかくなっていた。
斎藤は千鶴の表情を見ながらゆっくり指を中へと埋めていった。
千鶴の顔は上気して目は潤み、呼吸は浅い。きっと自分も同じ顔をしているだろうと思いながら、斎藤は彼女の耳たぶをかんだ。
「ん……はっ…さ、さいと、さん……」
入口あたりはほぐれてきているが、中はさすがにまだ固い。だがこれからの展開をわかっているかのようにうごめいているのを指で感じで、斎藤は抑えきれない激情に流されないように、ギュッと目をつぶって深呼吸をした。
まだだ。
まだ焦ってはだめだ。
己の欲望に負ければつらいのは千鶴だ。
かぶりついてむしゃぶりつきたくなるような衝動を必死に抑えて、斎藤は何度も何度も千鶴の中をさぐり敏感な部分をなでる。千鶴の方はすでに理性を手放しているのか、悩ましい喘ぎ声が絶え間なく聞こえてくる。奥のある部分をなでると千鶴が敏感に反応することがわかり、斎藤はそこを集中的に探った。そして親指を敏感な粒の上に円を描くようにう動かすと、千鶴の声のトーンがあがる。
「あ、あ……あっ……いや、あ……!」
少しずつ快感の階段をのぼっていく千鶴の様子に、斎藤も興奮した。逃げるように首を横に振る千鶴のうなじに口づけをする。
「大丈夫だ。そのまま力を抜いて……何も考えるな」
千鶴の興奮を感じるにつけ、斎藤の胸と下腹が痛いくらいに熱くなる。

「あ、あ、ああっ……」

千鶴がひときわ高く声を上げた一瞬の後に、千鶴の全身がピンと硬直しがくがくと震えるのを斎藤は感じた。
「あ……あ……」

茫然とした表情で快感の波に翻弄され押し流された千鶴は、ぼんやりと虚脱したように全身の力を抜く。
斎藤は指を抜くと、自分の着物を脱いだ。

「千鶴、できるだけのことはしたが痛いだろうと思う。俺を傷つけてもかまわん」
絶頂の後の放心した千鶴の様子はとても色っぽくて、斎藤の我慢はもう限界にきていた。
はやる心を落ち着かせて、斎藤は千鶴の脚の間に自分をあてがう。何が起こるか理解していない様子でまだぼんやりしている千鶴を抱きしめると、斎藤はゆっくりと入っていった。

「…っ…」

千鶴が息をのんだのが分かったが、あまりの快感に斎藤はなにも言うことができなかった。
ただ感情の高ぶりを腕の力に変えて千鶴を強く抱きしめる。先端までは滑らかに受け入れられて、斎藤はそれだけでもういってしまいそうだった。
だがこんなところで終わるのではなく最後まで……千鶴の奥の奥まで、何度も何度も念入りに味わいたい。
斎藤は入口で感触を確かめるように少しだけ腰を動かした。とたんに腰全体にじんとした快感の電流が走り、思わず「くっ…!」と声を出してこらえる。
そしてゆっくりと腰をすすめていくと、途中で侵入を阻むように狭まっている場所にあたった。左右に小さくゆするようにしながら奥へと動かしていくと、抱きしめている千鶴の体が逃げるように悶えるのを感じる。
「……っ痛いか……?」
熱い吐息とともに千鶴の耳もとでそう聞くと、千鶴は小さく首を横に振った。
「痛い……です、けど……でも……」
そういうと、千鶴の細い腕が斎藤の首に回される。
受け入れてくれるようなその行為に、斎藤の胸は熱くなった。

「できるだけ力を……抜いてみてくれ。その方が痛みが少ない」
「は、はい」

二人でここまで重なって同じ目的で同じ行動をし同じような感情を共有できるこの行為が、ここまで親密なものだとは斎藤はこれまで思っていなかった。単に体の欲だけの行為と、相手の全てを受け入れたいという思いを伴った行為とでは、ここまで感じ方が違うのか。

千鶴の目じりに浮かんだ涙を唇でぬぐうと、斎藤はそのまま腰を深く深く差し込んだ。
「は……あ……」
全てが収まった時、二人の口からため息のような声が漏れる。
「千鶴……」
暗闇でつながったまま、二人は目を合わせた。いとおしさがこみ上げて、斎藤は千鶴の柔らかな唇を求める。
二人で舌を絡ませていると、千鶴の体の力が抜けていくのが感じられた。
斎藤はゆっくりと腰を動かした。回すようにかき混ぜるように動かし、次にゆっくりとひいてまた深く挿れる。「は……あ、…ん」千鶴の唇から洩れる声は、先ほどよりも高かった。あきらかに感じる感覚はこちらの方が鋭いのだろう。
斎藤も全身で千鶴に触れ、共に揺れて、深く味わい、快感でとろけてしまいそうだ。
ゆっくりとした出し入れの動きがだんだんと早まっていく。

「くっ……は、あ……千鶴……千鶴……」
「斎藤さん、斎藤さ、……あっああっあっ、あっ」

きっと痛いのだろうと頭の片隅で思ったが、斎藤はもう制御することができなかった。
千鶴の甘い声、におい柔らかな肌、つややかな黒髪に潤んだ瞳。
すべてがいとおしく斎藤を興奮させ追いやるのだ。
千鶴が今どのあたりにいるのかを計る冷静さは斎藤にはもうなかった。
腰が勝手に動き貪欲に千鶴を貪る。
「はあ……はあっ……あっ……」
息が荒くなり、汗が千鶴の白い肌へと滴り落ちる。
「さ、斎藤さん…!だ、だめっそんなに……あっ、あっ……!」
「千鶴っ…!」
激しさがさらにまし、斎藤はとうとう彼女の奥で最後を迎えた。